
くーちゃんがいないと気づいたのは、自宅に戻った夕方のことでした。家の周辺を探し回り、しばらく帰りを待ちましたが、日が暮れても戻ってくる気配がありません。
そのとき、以前テレビのドキュメンタリーで見た「猫探偵」という存在を思い出しました。
「猫探偵って何?」「怪しくないの?」「費用はいくらかかるの?」——同じ疑問を持つ方のために、実際に依頼した経験をもとにまとめます。
猫探偵とは?
猫探偵とは、行方不明になったペットを専門的に探してくれるサービスです。
犬や猫の習性・行動パターンに詳しいプロが、捜索エリアの絞り込みや捕獲器の設置、聞き込み調査などを行います。近年ペットの脱走・迷子問題が増えるにつれて、専門業者も増えています。
依頼の流れ
1. 問い合わせ・相談
深夜、パソコンで「猫探偵」を検索し、いくつかの業者を比較しました。料金体系・口コミ・対応エリアを見ながら、最終的に1社に絞って電話をかけました。
電話に出てくださった担当者の方は、まだ依頼するかどうかも決めていない私に対して、丁寧にヒアリングをしてくれました。どういう経緯でいなくなったのか、くーちゃんの性格はどうか、最近外に出ることはあったか——一つひとつ丁寧に聞いてくれました。くーちゃんはもともと野良猫だったので外の環境には慣れていること、また脱走する少し前の週末にも庭で遊ばせていたことも伝えました。
依頼した会社は東京に窓口があり、全国に猫探偵のネットワークを持っていました。私の自宅に一番早く到着できる方をアサインしてくれるとのことで、別の現場での捜索を終えたばかりの方が駆けつけてくれました。
深夜にも関わらず、いなくなってしまった飼い主に寄り添うように話を聞いてくれる姿勢に、「この会社なら見つけてくれるかもしれない」と感じました。
さらに、成果報酬型(見つかった場合のみ支払い)と定額型(3日間・金額固定)の2つのプランのメリットとデメリットを、こちらが聞く前に説明してくれました。どちらのプランが自分の状況に合っているかを一緒に考えてくれる姿勢が信頼できると感じ、依頼を決めました。
手続きはオンラインの電子契約で完結し、同日中に捜索を開始してもらえました。
2. 現地調査・打ち合わせ
業者が実際に現場に来て、周辺環境を確認します。猫の習性をもとに「どのあたりにいる可能性が高いか」を絞り込んでくれます。
3. 捜索・捕獲器の設置
猫が好む匂いのするもの(普段のおもちゃ・フード・猫砂)を使って捕獲器を設置します。定期的に見回りを行いながら、猫が現れるのを待ちます。
また、捜索と並行して、猫探偵さんがチラシを作成し、近隣や猫が立ち寄りそうな場所に配布してくれました。この対応も料金に含まれており、プロに任せることの心強さを改めて感じました。
チラシ作成のために、依頼時に写真数枚と猫の特徴(毛色・模様・体型・首輪の有無など)を伝える必要があります。いざというときにすぐ送れるよう、愛猫の写真を日頃から撮りためておくことをおすすめします。
写真以外にも、依頼時にはさまざまな情報が必要になります。いざというときに慌てないよう、事前に整理しておくと安心です。
猫の基本情報:
名前・種類・年齢・体重・性別・去勢または避妊の有無・首輪の有無・毛色や模様などの特徴
性格・生活環境:
人懐っこいか警戒心が強いか・室内飼いか外に出ることがあるか・野良生活の経験はあるか・捕獲器に入ったことがあるか
脱走の状況:
いつ・どこから・どんな状況でいなくなったか・その後目撃情報はあるか
4. 発見・連絡
捜索は3日間、LINEでこまめに状況を報告してくれました。猫は夜に活動するため、猫探偵さんも昼間は休んで夜中に動くスタイルでした。
捕獲器に入った猫の写真や動画が届くたびに、「これはくーちゃんですか?似てますよね」「違います、耳の形が…」というLINEのやりとりが続きました。必死な状況の中でも、そのやりとりがどこか温かく、「ちゃんと探してくれている」という安心感がありました。
4日目の明け方、くーちゃんが自力で帰ってきてくれました。すぐに猫探偵さんにLINEで報告すると、わざわざ会いにきてくださいました。「自分は何もできなかったけど、帰ってきてくれて良かった」——そのひと言が、じんときました。
実際の費用
私が支払った費用は178,000円(3日間・諸費用込み)でした。
一般的な相場としては、依頼内容・日数・エリアによって大きく異なりますが、数万円〜20万円以上になることもあります。延長する場合は1日あたり追加料金が発生するケースが多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、プランによって費用の考え方が異なります。
成果報酬型は見つかった場合のみ支払うため、見つからなかった場合のリスクが低い反面、発見時の費用が高額になることもあります。定額型は日数と金額があらかじめ決まっているため、費用の見通しが立てやすいメリットがあります。どちらが自分の状況に合っているか、業者に相談しながら選ぶことをおすすめします。
依頼して良かったと思うこと・感じたこと
18万円という金額に迷いはありましたが、「それでも見つけたい」という気持ちが勝りました。依頼したこと自体に後悔はありません。
プロに任せることで、自分一人では気づかなかった場所を体系的に探してもらえたこと、そして精神的に「一人じゃない」と感じられたことは、あの苦しい4日間を乗り越える大きな支えになりました。
猫探偵さんに「なぜこの仕事を?」と聞いたところ、「猫が好きすぎて、合法的に猫とずっと一緒にいられる仕事を考えたらこれになった」とおっしゃっていました。仕事柄ずっと家を空けているため、自分では猫を飼えないそうです。
そんな猫への愛情を仕事にした人が、別の現場での捜索を終えたその足で駆けつけてくれた——18万円は決して安くはありません。でも、あのとき動いたことに後悔はありません。見つからなかったとしても、やれることはやった——そう思えることの方が、私には大切でした。やらなかったことを後悔する人生にはしたくない、そんな気持ちが背中を押してくれました。
くーちゃんとの再会だけでなく、猫探偵さんとの出会いそのものが、私にとってとても良い思い出になっています。
ただ一点、今思うのは——もしAirTagをつけていたら、ここまで費用をかけずに済んだかもしれないということです。
👉 AirTagを使った脱走対策については別な記事で紹介する予定です。
猫探偵を選ぶときのポイント
実際に依頼した経験から、業者選びで大切だと感じた点をまとめます。
電話での対応を確認する。
問い合わせの段階から丁寧にヒアリングしてくれるか、こちらの状況を親身に聞いてくれるかどうかは、業者の誠実さを測る大切な指標です。
プランの説明が明確かどうか。
成果報酬型と定額型など、プランのメリット・デメリットをわかりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
見積もりが明確か(追加費用の有無)。
延長料金や交通費など、事前に確認しておくと安心です。
実績・口コミが確認できるか。
残念ながら悪質な業者も存在するため、契約前に十分確認することをおすすめします。
まとめ
猫探偵は、自力では限界を感じたときの「最後の手段」として有効な選択肢です。費用はかかりますが、プロの力を借りることで見つかる可能性は確実に上がります。
そして何より、深夜にパニックになっている状態でも、プロに任せることで「一人じゃない」と感じられたことが、私にとって一番の支えになりました。
ただし、一番大切なのは脱走させないこと・させてしまった場合に早く気づけること。次の記事では、留守中の猫の環境を整えるためのグッズを紹介します。

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