びっこを引いた野良猫が、家族になるまで

ハンモックでくつろぐくーちゃん。時々、自主的に苦手なケージに入ります。探偵さんに送った写真。 Uncategorized
ハンモックでくつろぐくーちゃん。時々、自主的に苦手なケージに入ります。探偵さんに送った写真。

くーちゃん(野良猫)との出会いは、私が「猫を飼おう」と思っていたタイミングではありませんでした。ただ、いつか猫を飼いたいという思いはずっとあって、庭にやってくる野良猫たちを見ては、その気持ちが強くなっていきました。

どの子も痩せていてお腹を空かせていそうだったので、餌を置くようになりました。その中で一番よく食べにきてくれて、近づいても逃げることなく懐いてくれたのがくーちゃんでした。まさか、この子を家族に迎えることになるとは、その時はまだ思っていませんでした。

転機が訪れたのは、くーちゃんが怪我をして現れたときのことでした。

くーちゃんが他の猫と喧嘩した時の顔写真

びっこを引いてきた日

餌付けを始めてしばらく経った頃、くーちゃんが足を引きずって現れました。顔にも傷を負っていました。他の猫と喧嘩したようでした。

「このままにしておけない」——そう思い、まず動物病院に電話をしました。自分が飼っている猫ではないけれど、怪我をしているので連れて行っていいか、と聞いてみたのです。すると先生は親切にも「キャリーを貸しますので、まず取りにいらしてください」とおっしゃってくださいました。

キャリーにくーちゃんがおとなしく入ってくれるか、逃げ出さないか、少し不安でしたが、何とか病院に連れて行くことができました。

獣医師の言葉が、背中を押してくれた

診てもらったとき、獣医師からこんな言葉をいただきました。

「外で暮らす猫は、室内猫に比べて寿命が短いんです。もし飼える環境があるなら、家猫にしてあげてほしい」

その言葉が、胸に響きました。

ただ、平日仕事をしていて日中は留守をするため、「世話ができる環境ではないかもしれない」と正直にお伝えしました。すると先生は「猫はひとりで留守番ができますよ。私も複数飼っているけど、日中いなくても大丈夫です」と笑顔でおっしゃいました。

もう一つ、爪とぎで家が傷だらけになってしまうのではないかという懸念もありました。これについても「爪とぎダンボール(ガリガリボール)を置いてあげれば、そちらで爪を研ぐようになりますよ」と教えてもらいました。

不安が一つひとつ消えていき、気持ちが固まりました。

野良猫を引き取るという選択

もともと私は、将来ペットショップで子猫を迎えることを考えていました。でも、くーちゃんと出会い、獣医師の話を聞いて、考えが変わりました。以前、保護猫を迎えた友人が「大きくなった保護猫もとってもかわいいよ」と言っていたことも、背中を押してくれた気がします。

外で暮らす猫たちは、寒さや病気、交通事故、そして処分と隣り合わせです。ペットショップで子猫を迎えるよりも、まず目の前のくーちゃんを助けたい——そう思ったのです。

もし猫を迎えることを考えている方がいらっしゃれば、身近な野良猫や保護猫に目を向けていただければと思います。そこに、運命の出会いがあるかもしれません。

家猫1日目——5日間の旅行を前に

実は、くーちゃんを家猫にすることを決めた翌週末、5日間の旅行を予定していました。旅行前に動物病院やペットホテルに預けられないか相談したのですが、ワクチンを接種したばかりで、接種後しばらく経過しないと預けられないことがわかりました。

野良猫や保護猫を迎えたばかりの場合、ワクチン接種のタイミングによってはすぐに預け先を見つけられないことがあります。これから保護猫を迎えようとお考えの方は、旅行や出張の予定も含めて事前に準備しておくことをおすすめします。

計画を変更することができなかったため、急いで自動給餌器・給水器・トイレなど必要なグッズを揃えて出発しました。

帰宅したとき、くーちゃんは玄関先でお漏らしをしていました。不安だったのだと思います。胸が痛みました。それ以降は一度もそういうことはありませんが、あの光景は今でも忘れられません。

この経験が、留守中の環境づくりを真剣に考えるきっかけになりました。購入した自動給餌器や給水器については別の記事でご紹介する予定です。

家猫になったくーちゃん

実は野良猫だった頃から、くーちゃんは隙があれば家の中に入り込み、2階へ真っ先に駆け上がっていました。家猫になってからも、そんなくーちゃんが戸惑う様子はほとんど見られず、まるで最初からここが自分の家だったかのように、すぐに馴染んでくれました。

ただ、夜や留守中はケージに入れた方がいいかと思い試してみたのですが、ケージが苦手なようでずっと鳴き続けてしまいました。そこで、夜も留守中もくーちゃんはケージから出して、家の中を自由に歩き回れるようにしました。

トイレは何も教えていないのに最初からきちんと使ってくれました。しかもとてもきれい好きで、トイレが終わると自動給餌器を叩いて「早く片付けて」と合図をするほどです。野良猫として生きてきた知恵なのか、くーちゃんの賢さにはいつも驚かされています。

時々、庭を横切る野良猫を見て窓の外をじっと眺めることもあります。外の世界を懐かしんでいるのかもしれません。それでも、餌を食べたり水を飲んだり、ソファの上でくつろいでいる姿を見ると、家の中がくーちゃんにとって安心できる場所になってくれているように感じます。

野良猫だった頃、数週間姿を見せないこともあったくーちゃんですが、忘れた頃にひょっこり戻ってきたことがありました。家の周辺の道を、体で覚えていたのかもしれません。実は、家猫になって5年も経ってからくーちゃんが脱走する事件が起きてしまったのですが、その時、自力で帰ってこれたのは、野良猫時代に家の周りの地理を覚えていたからかもしれません。脱走した時の話は、次の記事でお伝えします。

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