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通所サービスは、母が「通いたい」と思える場所を——条件を決め、体験してから選んだ話

通所サービスの選び方をテーマにした、母の介護シリーズ第7話のアイキャッチ画像 親の介護

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ケアマネジャーは、自分で選ぶ——要介護で担当が変わり、家族の「軸」で選んだ話

ケアマネジャーさんが決まって、次に一緒に考えたのが、通所サービスでした。週に何日か施設に通って、リハビリやお風呂、食事などのサポートを受けられるサービスです。母にとっては、家の外で過ごす時間、人と関わる時間にもなります。

だからこそ私が大事にしたのは、「母自身が、通いたいと思える場所かどうか」でした。ケアマネジャー選びのときは、私と弟が母のことを思って選びましたが、通所サービスは母本人が通う場所です。今回は、条件を決めて、実際に体験してから、母の希望を最優先に選んだ、その記録を書いていきます。

母は、どちらかというと「一人が好き」な人だった

母はもともと、どちらかというと一人で過ごすのが好きな人でした。友人や知人と食事に出かけたり、音楽鑑賞に出かけたりすることはあっても、基本は一人の時間を心地よく感じるタイプです。

ただ、介護が必要になってからは、家で一人きりの時間が長くなると、人と関わる機会がぐっと減ってしまうのではないか、という心配がありました。そこで私たちは、「できれば通所サービスを使ってみてほしい」と、母に相談してみました。

通所サービスに気が進まない、行きたくない、という方も少なくないと聞きます。実は母も、通い始める前は、少し抵抗があったようです。だから正直、無理にすすめて母が気を悪くしたらどうしよう、というためらいもありました。それでも母は、「まずは試してみようかな」と受け止めてくれました。これは家族として、本当にありがたいことでした。

もちろん、通所を望まない方に「行ったほうがいいですよ」と言いたいわけではありません。むしろ、本人がやりたいこと・やりたくないことは、できるだけ尊重したいと思っています。母の場合は、最終的に本人が「やってみよう」と思えたこと——その気持ちがあったからこそ、通所サービスが無理なく暮らしになじんだのだと感じています。

まず「譲れない条件」を、ケアマネジャーさんに伝えた

やみくもに探しても決められないので、まずは条件を決めることにしました。ケアマネジャーさんに相談し、週2回くらいの利用で、「リハビリに力を入れている」「入浴のサポートがある」「食事がおいしい」という3つを希望として伝え、合いそうな事業所を提案してもらいました。

この3つには、それぞれ理由があります。リハビリは、退院してからも回復を続けてほしかったから。入浴は、自宅では母ひとりでは難しく、安心して任せられる場があるとありがたいから。そして食事は、毎回の楽しみになり、「また行きたい」と母が思えるかどうかに直結すると考えたからです。

食事を条件に挙げたのには、母の食生活の事情もありました。今、母の食事は、お昼が市の配食サービスのお弁当、夜が民間の配食サービスのお弁当で、朝だけ母が簡単に自炊をしています。ですから、温かい手作りのごはんを食べられる機会は、週2回の通所のランチと、日曜日にヘルパーさんが調理をサポートしてくださるときくらいしかありません。配食サービスは、安否確認も兼ねていて、リーズナブルで栄養バランスもよく、本当に助かっています。それでも、どうしてもお弁当が続くと、飽きも出てきます。だからこそ、通所先の食事がおいしいことは、母だけでなく、家族みんなが願っていたことでした。

送迎が「玄関まで」来てくれるか——これで候補はほぼ絞られた

意外だったのは、マンション住まいの場合に、玄関先まで送迎していただける事業所が、思ったより少なかったことでした。ちょうど、通所サービスの利用枠が空いていない時期と重なっていたのかもしれません。送迎で、マンションの集合玄関(建物の入口)まで来てくださるのか、それとも各家庭の玄関先まで来てくださるのかは、事業所によって違います。母はまだ、歩行器を使っても一人で外に出る訓練が十分にはできていなかったため、玄関先までの歩行のサポートが必要でした。この条件だけで、候補は2つに絞られました。

正直に言うと、このとき候補が2つだったことは、かえって助かりました。介護休業は20日ほどしかなく、そのあいだに有料体験まで済ませる必要があったからです。もし候補が5つもあったら、すべてを体験して比べる時間はとても取れず、選びきれずに困っていた——あるいは、あとから後悔していたかもしれません。選択肢が少なかったことが、この状況ではむしろ幸いでした。

正直、通所リハとデイサービスの違いがよく分からなかった

お恥ずかしい話ですが、私は最初、「通所リハビリ」と「デイサービス」の違いがよく分かっていませんでした。同じように施設へ通うサービスなのに、名前が違う。何がどう違うのか、ぴんと来ていなかったのです。

あとから調べて、ようやく整理できました。ざっくり言うと、デイサービス(通所介護)は、人との交流や、日々の生活を支えることが中心で、食事・入浴・レクリエーション・機能訓練などを行います。一方の通所リハビリ(デイケア)は、病院や介護老人保健施設などで、医師の指示のもと、理学療法士などの専門職が本格的なリハビリを行うのが特徴です。どちらも送迎・入浴・食事があり、介護保険で利用できる点は共通しています。使える範囲や費用は、要介護度やお住まいの地域によって変わるので、詳しくはケアマネジャーさんや自治体に確認するのが確実です。

そして気づいたのは、違いを完璧に理解できていなくても、「何を大事にしたいか」という条件さえはっきりしていれば、ちゃんと選べたということでした。専門的なところは、ケアマネジャーさんに聞けば教えてもらえます。同じように迷っている方がいたら、あまり身構えなくて大丈夫、とお伝えしたいです。

ちなみに、母が最終的に選んだのは、病院が運営する通所リハビリ(デイケア)でした。「リハビリに力を入れているところを」と条件にしていたので、自然と、リハビリの手厚い場所に行き着いた形です。

短い時間との勝負——見学から契約、利用開始まで

大変だったのは、時間でした。私が取れた介護休業は20日ほどと短く、その限られた期間のうちに、見学から決定、契約、そしてサービスの開始まで、一気に進めなければなりませんでした。

見学や体験は、ケアマネジャーさんに相談すると手配してもらえます。そこで私が驚いたのは、こちらが思っていた以上に、ケアマネジャーさんの動きが早かったことでした。事業所への打診も、施設側からの見学受け入れの連絡も、とてもスピーディーで、サービスを提供する側として、その対応の速さと誠実さに感心しました。おかげで、短い期間でも慌てずに、必要なステップを踏むことができました。

パンフレットではなく、実際に「体験」してみた

説明やパンフレットを読むだけでは、母がそこで居心地よく過ごせるかどうかは分かりません。そこで、有料の体験を活用して、2つの事業所を実際に体験してみることにしました。

実際に足を運んでみると、施設の雰囲気、スタッフの方々の接し方、他の利用者さんの様子、そして食事——文字だけでは分からないことが、たくさん見えてきました。母自身の「ここなら通いたい」という感覚も、体験してみて、はっきりしてきました。

そして、この体験は、母にとっても大きな意味がありました。前に書いたとおり、母は通い始める前、少し抵抗があったのですが、実際に施設へ行って、職員さんの対応や場の雰囲気を自分の目で見たことで、「ここなら大丈夫、雰囲気がいい」と感じられたそうです。それで、通うことへの抵抗がなくなったと、あとから話してくれました。行くか行かないかを判断する前に、一度体験してみること——それ自体に、大きな意味があったのだと思います。

決め手は、母が「ここがいい」と思えたこと

最終的な決め手になったのは、母自身の気持ちでした。ひとつはスタッフの方々や場の雰囲気が、母に合っていたこと。もうひとつは、食事がおいしかったことです。母が「ここがいい」と感じられたこと、それがいちばん大きな決め手でした。

送迎で自宅まで送り迎えをしてもらえるのも、離れて暮らす私たちにとっては大きな安心でした。母が無理なく通える形が整ったことで、日々の暮らしにリズムが生まれました。

そして、通い始めてから分かったこともあります。リハビリが思っていた以上に充実していて、「ここを選んでよかった」と、今あらためて感じています。体験だけでは見えきらなかった良さが、通い続けるなかで実感できました。

たとえば、リハビリのメニューです。母はまだ骨がしっかりとはつながっておらず、神経の痛みもあって、長い距離を歩くことはできません。ところがその施設には、座ったままペダルを漕げる自転車のトレーニングがありました。訪問看護の理学療法士さんからも「自転車はとてもよい運動になりますよ」とお墨付きをいただいていましたし、母は骨折する直前まで自転車に乗っていた人でもあります。母にとって、これ以上ないくらい相性のよいトレーニングでした。こうした良さは、通い始めてみて、初めて分かったことでした。

通う回数と曜日は、体力と「お風呂の間隔」で決めた

通所サービスは、週に2回、3回…と回数を選べます。母の性格や体力を考えると、週3回は少し多すぎるかもしれない。そう考えて、わが家は週2回にしました。

その2回も、どちらも長い時間だと体が疲れてしまうのではと心配で、1日は長め、もう1日は午前中だけの短め、という組み合わせにしました。

曜日については、希望はあったものの、通所先の利用状況の都合もあって、必ずしも第一希望どおりにはなりませんでした。そのなかで、最後に曜日を決める決め手になったのが、実は「お風呂の間隔」でした。清潔を保つために、入浴と入浴のあいだが空きすぎないよう、ちょうどよい間隔になる曜日の組み合わせを選んだのです。こうした細かな調整も、ケアマネジャーさんに相談しながら決めていきました。

おわりに

母は今も、その通所サービスに通い続けています。通う場所ができたことは、生活の張りにも、楽しみにもなっているようで、良い変化を感じています。

通所サービスは、家族が「よさそう」と思う場所ではなく、本人が「通いたい」と思える場所を、条件を決めて、できれば体験してから選ぶ——これが、実際に選んでみて感じた、いちばんのおすすめです。

次回は、離れて暮らす母の毎日を支えてくれた、見守りの工夫について書いていきたいと思います。


参考

この記事は、離れて暮らす母の介護をしてきた私自身の経験をもとに書いています。介護のサービスの種類や費用、利用の流れは、お住まいの自治体や時期、その方の状態によって異なります。詳しくは、お住まいの自治体・地域包括支援センター・ケアマネジャーなどの専門家にご確認ください。

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