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通所サービスは、母が「通いたい」と思える場所を——条件を決め、体験してから選んだ話
20日間の介護休業に入って、私がいちばんやりたかったのは、母がふたたび一人暮らしできるように、離れていても見守れる環境を整えることでした。退院した直後の母は状態がよくなく、このまま一人で暮らしていけるのか、見通しは立っていませんでした。
それでも、家族としての願いは、できるだけ母にまた一人暮らしをしてもらうことでした。だからこそ私は、離れていても母を支えられるように、見守りグッズをそろえることにしたのです。
離れて暮らす親御さんとの同居にするか、離れたまま見守るかで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そんな方のお役に立てればと思い、私が実際に使った道具の、役立ったものと、そうでなかったものをご紹介します。
きっかけは、母の「様子が分からない」不安でした
父が亡くなり、母が一人暮らしになったのを機に、私は平日は毎日、朝と晩にLINEで母と連絡を取るのが常でした。ところが入院中は、骨折だけでなく別の病状(薬剤性パーキンソン症)を発症してしまい、母はLINEを操作することもできなくなってしまいました。食事がとれているのか、リハビリは順調なのか知る術がなく、2週間に1度の見舞いで顔を見て、ようやくホッとする日々。この「離れていると様子が分からない」不安は、母が退院して在宅に戻ってからも、遠くで暮らす私にはついて回ります。だからこそ、見守りの仕組みをつくりたいと思ったのが出発点でした。
遠隔で介護する方法を、一冊の本から知った
母の入院中、遠隔で介護する方法がないかとYouTubeや書籍で調べるうち、1冊の本に出会いました。「親が心配な人の見守りテック スマホでできるスマートホーム化の極意」(和田亜希子 著)です。設定ができるか自信はありませんでしたが、ITを使わなければ遠くの母は見守れません。迷いながらも機器をそろえられたのは、この本のおかげでした。
わが家の「見守りの1日」
たどり着いたのが、呼びかけられる画面「Echo Show」、部屋を映す「見守りカメラ」、動きを知らせる「人感センサー」の3つでした。道具は緊急時だけのものではなく、毎日の暮らしに自然に溶け込んでいます。
朝は、見守りカメラで母がEcho Showの近くにいることを確認してから、画面越しに声をかけます。夜は弟がLINEの通話でつながり、週に1回は家族みんなで顔を見て話します。もともと日ごろから連絡を取り合ってきた習慣の延長に道具が加わったので、無理なく続けられています。今は、画面越しに顔を見て話せるのはもちろん、スマホでカメラの映像や母が動いた履歴も確認できます。さらに、母がセンサーの前を通ると、その通知がApple Watchに振動で届きます。「元気にしている」が毎日いろいろな形で分かり、遠くにいても安心していられます。
※価格は変動します。最新の価格は、各商品のリンク先でご確認ください。
買ってよかった見守り機器
Amazon Echo Show 5(第3世代)
母はスマホのLINE操作が苦手になってしまいましたが、この画面つきスマートスピーカーなら、こちらから「呼びかけ」て顔を見ながら話せます。母は難しい操作をせず、画面の前に座るだけ。毎日「おはよう」と顔を合わせられる安心感は、思っていた以上でした。
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SwitchBot 見守りカメラ Plus(3MP)
部屋の様子をスマホから確認できるカメラです。母がよく座る場所と、寝室の様子が見える位置に、本人の了承を得て設置しました。スマホのリモート操作で向きを調整できるので、実家まで行かなくても直せます。寝室に置いた人感センサーと組み合わせれば、動き=元気が分かります。
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SwitchBot ハブ3 + 人感センサー
カメラはWi-Fiで単独に使えますが、人感センサーや鍵などを外出先から使うには、中継役の「ハブ3」が必要です。私はこのことを理解できていなかったので、他の機器をセットしたあと、スマホで操作できない状況になって初めて、ハブが必要だと気づき、慌ててハブを買い足しました。これから始める方は、ハブを最初に用意しておくと安心です。人感センサーは、母が動くたびに反応して履歴を残すので、記録を見れば「今日も元気」と分かります。
SwitchBot スマートロック
玄関の施錠を、スマホから確認・操作できる鍵です。サンプル動画を見ながら何度もシミュレーションして貼ったのですが、わが家の鍵まわりが動画とは少し違ったこともあり、本体を上下逆に貼ってしまいました。そのため、次に電池を交換するときは、本体ごと外す必要がありそうです。貼る前に、電池カバーの向きや、電池をどこから取り出すのかまで確かめておくのがおすすめです。
買ったけれど、わが家には合わなかったもの
「これは合わなかった」というものもありましたので、ご紹介します。
SINGCALL 呼び出しベル
押すと知らせてくれる呼び出しベルです。買ってみたのですが、わが家には不要でした。基本はナースコールのように同じ家の中で使うもので、離れて暮らす遠距離の見守りでは機能しません。同居で部屋が離れている方には便利だと思います。
ティファール 電気ケトル(0.8L)
倒れてもお湯がこぼれにくいロック機能に惹かれて選びましたが、母には本体が重く、片手で持つのが難しいものでした。毎日使うものは、機能だけでなく「重さ」も確かめることが大事だと学びました。
人感センサーライト(充電式)
夜、動きを感知して自動で灯りをつけてくれるライトです。母のために買ったのですが、定期的な充電が母には難しく、母の家では続きませんでした。高齢の親に使ってもらうなら、充電式より電源につなぐタイプや据え置き型が安心です(母の家の廊下・トイレは、その後、電源式の人感ライトに切り替えてうまくいきました)。
ただ、この充電式ライトは、今は私が自宅に持ち帰って使っています。玄関が暗いのですが、飼い猫のくーちゃんが玄関まで迎えに来ると反応して灯りがつくので、「迎えに来てくれたんだな」と分かって、これはこれで良い買い物でした。
見守りを始めるなら、この順番で
まずはSwitchBotのハブを用意し、離れた場所からセンサーや鍵を使えるようにする。そのうえで、画面(Echo Show)・カメラ・センサー・鍵・ライトなど、必要なものを少しずつ足していくのがおすすめです。そして、カメラを設置するときは必ず本人の同意を。見守られる側の気持ちを大切にすることが、長く続けるいちばんのポイントだと思っています。
おわりに
見守りの道具をそろえてよかったと、今しみじみ感じています。順番を間違えたり、合わないものを買ったりもしましたが、少しずつわが家に合う形が見えてきました。いちばんの変化は、離れていても「つながっている」と感じられるようになったこと。これから見守りを考える方に、私の経験が少しでもお役に立てば、うれしいです。
参考
- 書籍「親が心配な人の見守りテック スマホでできるスマートホーム化の極意」(和田亜希子 著)
この記事は、離れて暮らす母の介護をしてきた私自身の経験をもとに書いています。製品の仕様や価格、使い勝手はご家庭やその方の状態によって異なります。導入の際は、ご本人の同意を大切にしながら、ご自身の環境に合わせてご検討ください。
